さて、今回は2019年に行われたCollege Footballの試合から Florida 対LSUの試合からナイスプレイをご紹介します。
今回はLSUのディフェンスから戦略・戦術をご紹介します。
まずは、Floridaのオフェンスからプレイをご紹介します。
第3Q残り3:19
自陣16y 3-19
5 Step
Empty体型からのパスプレイです。
これに対するLSUのディフェンスプレイはこちらです。
両DTをGの外シェードにセットさせて、DTとDEでクロスするスタンツです。
3-19というシチュエーションということもあり、LSUのセカンダリーは深めにセットしています。ブリッツを入れない代わりにDL4人のスタンツでプレッシャーをかけました。
動画はこちらから。
オフェンスから見て右サイドのDLが見事なコンビネーションでサックしています。
このスタンツでDLが意識しているのは以下の通りです。
DTが意識していること
広がらずにOGを外側に釣る
可能な限りOGを外側に押し広げるように縦目にスタートすることで、OGを外側に広げています。これにより、DEが回ってきた時にOGに拾われないようにしています。
もしDTのスタートが外側に広がると・・・
OGに気づかれてピックアップされてしまいます。
外側を守る(QBに対して外側の位置をキープする)
このスタンツでは、DTとDEが役割交換をしているためDTは外側を守る必要がありますが、経験の浅い選手は「外側を守る」と聞くとスタートと同時にOTの外に出ようとする選手が多いです。
しかし、「外側を守る」というのは、明確には「QBに対して外側の位置をキープする」ことができていればOKです。そのため、無理やりOTの外に出るのではなく、OTの内側から抜けてQBに対して外側の位置をキープするようにします。そうすることで、よりQBに対して近い距離でプレッシャーをかけることができます。
DEが意識していること
OTを外側に釣る
OTはDEに対してパスプロテクションを行いますが、可能な限りOTを自分にくぎ付けにするために一度外側から縦にスピードラッシュするふりをしてから内側に方向転換します。
OTを自分にくぎ付けにすることで、内側からラッシュするDTに気づかれないようにすることができます。
もしDEのラッシュの縦感が弱いと・・・
OTとOGのコンビネーションでピックアップされてしまいます。
広がらずにQBに向かう
DEが内側に方向転換する際に、QBに対して最短距離でプレッシャーをかけられるように広がらないようにラッシュします。
その際、DTが引き連れているOGの背中ギリギリを通るアングルでラッシュするのがベストです。
広がらずにラッシュするメリットは以前にもご紹介しています。
DT・DEが意識できていると
このLSUディフェンスのようにDEがきれいにサックすることもありますが、OGがDEに気づいてパスプロテクションの対象を変更した場合、DTがサックする絵になります。
先述しましたが、DEが縦感をもってラッシュしてOTを外側に引き連れていれば、OGのパスプロテクションから解放されたDTがフリーになる構図です。
以上がDTとDEのスタンツのご紹介でした。
もしこれを見たDL出身の方で、「こんなことも意識している!」ということがあればコメントいただけるとありがたいです!
それではまた次回をお楽しみに。
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