【完全解説】NFL 2024カンファレンスチャンピオンシップ チーフスvsビルズ:マホームズ2TDランの秘密を暴く

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強い、強すぎるぞチーフス!

試合結果の概要

3年連続スーパーボウル進出
カンザスシティ・チーフスがAFCカンファレンスチャンピオンシップでバッファロー・ビルズに対して32-29という接戦の末勝利し、3年連続スーパーボウル進出を決めました。強い、強すぎる!

チーム戦力比較とスタジアム情報
アローヘッド・スタジアム(収容73,000人)で開催されたこの試合は、過去5年間で4度目のプレーオフ対決。チーフスのホームゲーム勝率は過去3年で85%と圧倒的で、ビルズのクォーターバックジョシュ・アレン「ここはNFLで最も戦いにくい場所」と語りました。



チーム別・選手別スタッツ:数字で見る接戦の内容

チームスタッツ

カテゴリービルズチーフス
総獲得ヤード374ヤード368ヤード
パッシングヤード227ヤード233ヤード
ラッシングヤード147ヤード135ヤード
第3ダウン成功率5/14 (35.7%)5/9 (55.6%)
第4ダウン成功率4/6 (66.7%)1/1 (100%)
ターンオーバー01 (ファンブルロスト)
ポゼッション時間30:3229:28

トータルヤード・パス・ランともに多きな差はなく、ターンオーバーも両チーム合わせて1回。タイムポゼッションもほぼ同じという、スコアを見なくても接戦と分かるようなスタッツとなりました。

主要選手パフォーマンス分析

ビルズ

選手ポジションスタッツ
ジョシュ・アレンQB22/34, 237ヤード, 2TD / 11回ラン39ヤード
ジェームズ・クックRB13回ラン85ヤード, 2TD
マック・ホリンズWR3レシーブ73ヤード, 1TD

クォーターバックのジョシュ・アレン34回投げて22回成功の2TDパス。サックは2回ありましたが、QBレイティングは104.7と好調のパフォーマンスを見せました。

また、ランニングバックジェームズ・クック13回85ヤード2TDの活躍でしたが、持ち前のスピードとボディバランスでチーフスのディフェンス陣を翻弄し、ビルズのランニングアタックをけん引していた印象です。

チーフス

選手ポジションスタッツ
パトリック・マホームズQB18/26, 245ヤード, 1TD / 11回ラン43ヤード, 2TD
ザビア・ワーシーWR6レシーブ85ヤード, 1TD
カリーム・ハントRB17回ラン64ヤード, 1TD

パトリック・マホームズ26回投げて18回成功の245ヤード、パスで1TDランでは2TDの合計3TDを獲得!サックは2回ありましたがインターセプトはなく、QBレイティングは111.9と高いパフォーマンスを見せていました。

パスではワイドレシーバーでドラフト1巡指名を受けたルーキーのザビア・ワーシーが、持ち前のスピードとキャッチング能力を見せつけ、85ヤード1TDを決めています。


最大の脅威はデザインランとQBの判断能力

2つのランニングTDを徹底解説!

レッドゾーンでの判断力

レッドゾーンでの成功率は4/6。特に前半終了2分前に見せた1ヤードTDランでは、パスプレイではあるものの、ターゲットが空いていなければボールをキープするというオプション的なプレイで、最後は自身がエンドゾーンに突っ込んでタッチダウンを決めました。

このプレイと似た形で、4th Down 1ヤードという状況でもマホームズが投げるか走るかをチョイスしていました。

10ヤードTDランの布石

第4Q残り10分20秒、1st Down 10、ゴール前10ヤードという状況で、マホームズは2人のブロッカーを活かして右サイドへ走り込んでTDをあげるプレイがありました。このプレイでチーフスは29-22とリードし、試合を優位に進めました。

実はこのプレイ、チーフスのランニングバックのカリーム・ハントが第1Qに奪ったプレイと同じブロッキングをしています

このプレイでは画面手前にいるビルズのLBの選手はマホームズに反応していますが、画面奥にいるLBの選手までマホームズに反応してしまったため、ハントを守る選手が少なくなりTDに結びつきました。

これと先ほどマホームズがTDをあげたプレイを見比べると、前半にハントにTDを取られたことが脳裏に残っているため、ビルズの手前から2番目の選手はハントの方に反応しています。これにより、マホームズは1人のブロッカーをリードブロッカーとして使える状態で走ることができ、勝利を大きく引き寄せるTDとなりました。

こちらの動画では、後ろから撮影した動画で解説しています。全く同じブロッキングなので見分けがつかないですね。ちなみに、マホームズは画面右側にいるディフェンスエンドの動きを見て、彼がハントに反応すればマホームズがボールをキープし、ディフェンスエンドがマホームズに反応して残れば、ハントへハンドオフをするというオプション的なプレイデザインとなっています。

マホームズの運動能力

パトリック・マホームズのNFLコンバインでの40ヤード走の測定タイムは4.80秒でした。この記録は2017年のNFLコンバインで計測されましたが、この4.80秒というタイムは、クォーターバックとしては決して速いものではありませんでした。

マホームズ自身、この40ヤード走の記録をあまり誇りに思っていないようで、2024年のNFLコンバインの際には、NFLネットワークに対して自身の40ヤード走の映像を使用しないよう冗談交じりにお願いしていたそうです。

しかし、この比較的遅い40ヤード走の記録にもかかわらず、マホームズはNFLで最も優れたクォーターバックの一人として成功を収めています。彼の俊敏性、視野の広さ、爆発的な動きは、実際のゲーム状況では非常に効果的に発揮されています。

そして、マホームズのランが効果的に出るためには戦術が非常に重要な要素であり、40ヤード走の記録が必ずしも実際のプレー能力を反映するものではないと言えます。


ジョシュ・アレンの奮闘

前半終了間際のTDパス

前半残り28秒という状況の中でもアレンはいとも簡単にロングパスをニック・ホリンズへ投げ込み、17-21で前半を折り返すことに成功しました。

4thダウンTDパスの決断力

第4Q残り6分45秒、4th&ゴールでアレンはカーティス・サミュエルへ正確なTDパス。このプレイで試合を29-29に戻しました

投げ込んだアレンのパスも素晴らしかったですが、アレンを守り切ったオフェンスラインパスプロテクションも賞賛に値します。


ファンとメディアの反応

ビルズファンの失望と抗議

「レフェリーの判定問題」

試合後、ビルズファンからレフェリーのスポット判定に疑問の声が噴出。動画が拡散され、「ファーストダウンが消えた」と批判が集中。特に第3Qのジェームズ・クックのランで、明らかなファーストダウンが取り消されたプレイが問題視されました。

地元メディアの反応

地元バッファローのメディア「ビルズワイヤー」は「審判の偏りが試合を左右した」と指摘。一方、ESPNのアナリストダン・オーロフスキーは「アレンのパスがドロップされたことが致命傷」と分析しました。

チーフスファンの歓喜

スーパーボウル3連覇への期待

チーフス公式Xアカウントは試合終了直後、「ニューオーリンズへ!」と投稿。テイラー・スウィフトも「信じられない!GO CHIEFS🔥」と祝福ツイートし、100万いいねを超える反響がありました。

マホームズ父の“ハッキング騒動”

パトリック・マホームズの父が試合後、「バッファロー出身でよかったね」と挑発的な投稿。後にアカウントがハッキングされたと説明しましたが、ビルズファンの怒りを買いました

スーパーボウルLIXへの布石

イーグルス戦の注目ポイント

チーフスは2年前のスーパーボウルでイーグルスを破った実績があります。個人的には今回の対戦では、イーグルスの強力なパスラッシュ(シーズン60サック)がマホームズへの脅威になるのではないかと踏んでいるのと、チーフスのコーナーバックのラジャリウス・スニードがワイドレシーバーのAJブラウンを抑えられるかが鍵と予測されます。

歴史的偉業への挑戦

3連覇達成の場合、マホームズは「ジョーモンタナを超えたGOAT」と評価される見込み。アンディ・リードHC「史上最高のコーチ」の称号を得る可能性があります

おわりに

ビルズvsチーフスの試合は、通常のレギュラーシーズンの試合でもハラハラする試合になるのですが、勝てばスーパーボウルというカンファレンスチャンピオンシップでも、ドラマチックな試合となりました。

アレンとマホームズという2大QBのライバルリーはいつまでも追いかけ続けたいですね。ビルズは「マホームズの壁」に再び阻まれましたが、アレンの成長は続いており、来季への期待が高まります。一方、チーフスは2月9日のスーパーボウルLIXで、前人未到の3連覇という歴史を作るチャンスを手にしました。

イーグルスが2年前のリベンジを果たすのか、チーフスが時代を変えるのか、泣いても笑ってもNFLの2024シーズンは次のスーパーボウルで終わりです(さみしい)。

NFL
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