今回もディフェンスのパスカバー「Cover 4」について解説します。
Cover4の概要については前回ご紹介しましたので、こちらをご覧ください。
Cover4のデメリット
前回ご紹介したCover4のデメリットとして、CBの前のゾーンが空くというものをご説明しました。
Cover 4はCBが#1WRのディープパスを警戒して後ろに下がるため、#1のHookなどが簡単に決められてしまいます。
Hookのような短いパスパターンであれば、取られてからタックルすれば問題ないのですが、ショートパスの精度が高いQBとWRがいるチームだと、コツコツ進まれてしまうので何とかして止めたいところです。
今回はこのデメリットを解消するスキームをご紹介します。
Cover 2 Read (Palms)
Cover 2 Read (Palms)とは、Smashと呼ばれるパスコンセプトに対して、DBの負担を減らすスキームです。
Cover4の時のDBの役割として、WRに対して常にディープゾーンをカバーをするため、Smashが来た場合は下図の通りのカバーとなります。その結果、#2WRのコーナーパターンはSFがカバーするのが難しくなります。
Cover 2 Read (Palms)は、CBがSmashパターンを確認した際に、OLBに「Smash」とコールすることでOLBをフラットゾーンに飛ばします。CBはOLBに「Smash」コールをかけた後、#2のコーナーをカバーしてSFをヘルプします。
これにより、OLBはフラットゾーンをカバーすることができるため、CBの前のゾーンをカバーすることができます。
CBが”Smash”コールをかけることで、OLBがCBの前のフラットゾーンをカバーすることができますが、CBの判断力とOLBとのコミュニケーションが求められます。
Robber
CBの前のゾーンを埋めるために、Robberを使う方法もあります。
Robberについては、「3Robber」として以下の記事でも取り上げております。
前回Cover4を説明する記事で、4人のDBで4縦をカバーするのがCover4と説明しました。Robberに関してもWRが縦に走ってきたらDBでカバーできるため、Cover4のサイドアジャストとして使用することが可能です。
そして、Robberを使うことで、OLBをフラットゾーンに飛ばすことができます。
これにより、OLBがCBの前のフラットゾーンをカバーすることができます。また、先述した”Cover 2 Read”と違い、CBが”Smash”コールをかけなくてもOLBがフラットゾーンに飛ぶことができます。
一方で、一時的に#2前の浅いゾーンに人がいなくなってしまうため、#2のHookが空いてしまいます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
Cover 4はCBの前のゾーンが空くというデメリットがありますが、
ディフェンス選手同士がプレイ中にコミュニケーションをとったり、事前に決めごと(サイドアジャスト)をすることで、あらゆるパスパターンに柔軟に対応できます。
それではまた次回をお楽しみに。
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