さて、今回は2019年に行われたCollege Footballの試合から Texas A&M 対LSUの試合から戦略・戦術をご紹介します。
今回はLSUオフェンスの戦略をご紹介します。
第1Q残り13:35
敵陣44y 1-10
Zone Fake Pass
第1Q残り13:15
敵陣15y 1-10
Wedge
第1Q残り12:56
敵陣4y 2-G
Wedge
LSUのファーストシリーズですが、タッチダウンまでのこの3プレイをノーハドルで行いました。ノーハドルで行うことで相手ディフェンスの、
・サインを簡略にさせる
・パーソナルを変更し辛くさせる
・体力を奪う
ことができます。
動画はこちらから。
オフェンスも同様にノーハドルを導入することで上記の問題が発生するのですが、ディフェンスはオフェンスの体型・パーソナル・プレイに対して後出しで動くため、プレイとプレイの感覚が短く、考える時間が無くなれば止めづらくなります。
そしておそらくですが、LSUはこのファーストシリーズにおいてレッドゾーンに侵入した際にノーハドルを使用するという決め事があったと思います。
常にノーハドルを使用するのは難しいのですが、ピンポイントで使用するのはかなり有効な戦術だと思います。一方、ディフェンスとしてはノーハドルを止めるにはタイムアウトしか方法がありません。
タイムアウトは前後半で各3つずつしかないので使うタイミングは慎重に考えなければいけませんが、個人的な意見としては、ファーストシリーズでタッチダウンを取られかねないこの場面ではTexas A&Mはタイムアウトを使用してもよかったのではないかと思います。
自陣25ydから始まったLSUのオフェンスですが、
・1プレイ目 Texas A&Mの反則(ホースカラータックル)で前進
・2プレイ目 ランで前進
・3プレイ目 パスで前進
・4プレイ目 パスで前進 ※ここからRed Zone に侵入してノーハドル開始
・5プレイ目 ランで前進
・6プレイ目 ランで前進してタッチダウン
と、たった6プレイで自陣からドライブしてタッチダウンに繋げています。ディフェンス選手としては試合開始で気合十分の中始まったシリーズですが、あれよあれよとタッチダウンを取られてしまいました。
ここではノーハドルが始まる5プレイ目の開始前か、遅くとも6プレイ目の開始前にタイムアウトが取れたと思います。一度オフェンスのリズムを切り、ディフェンスを休憩させながら一度冷静にさせることで次のプレイに集中させることができます。
タイムアウトは時計を止める貴重な手段なので、2ミニッツオフェンスなどで取っておきたいたいという気持ちも分かりますが、最初のシリーズから数プレイでタッチダウンを取られると、ディフェンスとしてもチームとしても精神的なダメージは大きいです。
しかし、このレッドゾーンを少なくともFGの3点に抑えることができれば今後の展開も大きく変わってきます。タイムアウトは数が限られているため、チームとしても使いどころを事前に共有しておく必要があると思います。
それではまた次回をお楽しみに。
コメント