アメリカンフットボールでは、オフェンス・ディフェンスともに選手があらかじめ作戦で決められた位置にセットします。
この選手の並び方をフォーメーション(体形)と呼び、どのような状況でどのようなフォーメーションを選択するか?という判断が勝敗を大きく左右します。
今回は、代表的なオフェンスのフォーメーションについて、ご紹介します。
※フォーメーションの呼び名はチームによって異なります
I(アイ)フォーメーション
QB(クォーターバック)とRB(ランニングバック)が縦一列に並ぶフォーメーションを、I(アイ)フォーメーションと呼びます。
アイフォーメーションの中でもWR(ワイドレシーバー)とTE(タイトエンド)のセット位置により名前が異なります。アイフォーメーションはRBが前に走りながらハンドオフを受けることができるため、ランプレイに適したフォーメーションと言えます。
プロ・アイフォーメーション
WRがボールを挟んで両サイドに並び、OL(オフェンスライン)のすぐ隣にTEを配置するアイフォーメーションをプロ・アイフォーメーションと呼びます。1970年代に入って、プロフットチームが多用したことでこの名前がつきました。どのチームにも使用される馴染みがある体型です。
ツイン・アイフォーメーション
WRが片側のサイドに2人並び、OLのすぐ隣にTEを配置するアイフォーメーションをツイン・アイフォーメーションと呼びます。WRが2人並んでいることで、プロ・アイフォーメーションよりも幅広いパスプレイを展開することができます。
タイト・アイフォーメーション
OLの両隣にTEを配置し、片側のサイドにWRを1人配置したアイフォーメーションをタイト・アイフォーメーションと呼びます。主にゴール前やショートヤードの状況など、短い距離を獲得したい時に使用されます。
ショットガンフォーメーション
QBがセンターの位置から5ヤードほど離れた位置にセットするフォーメーションを、ショットガンフォーメーションと呼びます。
これも、WRの位置やTEの有無によって呼び方が異なります。ショットガンフォーメーションはQBがボールから離れた位置にセットできるため、パスを投げる際の視野が広がり、ディフェンスからのプレッシャーから逃れやすいというメリットがあります。そのため、パスプレイに適したフォーメーションと言えます。
ダブル / エース / デュアル(ショットガン)
WRがボールを挟んで両サイドに2人ずつ並び、QBの近くにRBを配置するショットガン・フォーメーションをダブルと呼びます。チームによってはエースやデュアルなどと呼ばれることもあります。WRが両サイドに均等に並ぶため、ショットガンフォーメーションの中でもパスのバランスの良いフォーメーションと言えます。
トリップス / トリオ / スーパー(ショットガン)
WRが片側サイドに3人並び、反対サイドに1人。QBの近くにRBを配置するショットガン・フォーメーションをトリップスと呼びます。チームによってはトリオやスーパーなどと呼ばれることもあります。WRが3人並ぶサイドを攻めることもあれば、エースWRを1人サイドにセットして1対1を狙うなど、作戦の幅が広がるフォーメーションと言えます。
バンチ(ショットガン)
トリップスと同じくWRが片側サイドに3人並びますが、その3人が密集して房(バンチ)のようにセットする体型をバンチと呼びます。WR3人が近づいてセットすることで、3人が複雑に絡み合ったパスコースを走ることができます。
スプレッド(ショットガン)
WRがボールを挟んで方側サイドに2人並び、反対サイドはWRが1人と、OLの隣にTEがセットします。そしてQBの近くにRBを配置するショットガン・フォーメーションをスプレッドと呼びます。WRが片側サイドに2人並ぶためパスにも強い一方、TEをランブロックにも活用することができるため、ショットガンフォーメーションの中ではランとパスをバランスよく使うことができるフォーメーションと言えます。
シングルバックフォーメーション
名前の通りRBが1人でQBの後ろにセットし、QBはセンターのすぐ後ろでスナップを受けるフォーメーションをシングルバックフォーメーションと呼びます。
WRの付き方による名前はショットガンフォーメーションと同じですが、RBは前に走りながらハンドオフを受けることができるため、ショットガンよりもランプレイに適したフォーメーションと言えます。
ダブル / エース / デュアル(シングルバック)
トリップス / トリオ / スーパー(シングルバック)
バンチ(シングルバック)
スプレッド(シングルバック)
いかがでしたでしょうか。今回は、代表的なオフェンスフォーメーションについてご紹介しました。ご覧いただいたように、WR・RB・TEの人数やつき方によって名称が変わり、それぞれに特徴があります。今回ご紹介していないフォーメーションもたくさんありますが、まずはこれらのフォーメーションを覚えておくと試合観戦を楽しめるでしょう。
それではまた、次回をお楽しみに。
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