カレッジフットボールプレイオフ2024 ファーストラウンドがスタート!
12チーム制の新フォーマットで初のキャンパス開催
2024年、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)は大きな変革を遂げました。従来の4チーム制から12チーム制へと拡大し、初めてキャンパスでの試合開催が実現しました。通常はNFLなどで使用されるスタジアムを貸切るのですが、キャンパスにあるスタジアムで開催することで、ホームアドバンテージが色濃くなります。キャンパスは学生たちの熱気で溢れました。
各試合のスコアと勝敗の概要
1stラウンドの結果は以下の通りです:
- ノートルダム大学 27-17 インディアナ大学
- ペンシルベニア州立大学 38–10 サザンメソジスト大学
- テキサス大学 38-24 クレムソン大学
- オハイオ州立大学 42-17 テネシー大学
勝てば次のステージへ。負ければ即シーズンエンドという緊張感の中、4チームが勝ち上がりました。
プレーオフ進出チームの次のステップ
勝利を収めた4チームは、次のラウンドでシード権を得ているチームと対戦します。ノートルダム大学は「シュガーボウル」でジョージア大学と、ペンシルベニア州立大学は「フィエスタボウル」でボイジー州立大学と、テキサス大学は「ピーチボウル」でアリゾナ州立大学と、そしてオハイオ州立大学は「ローズボウル」でオレゴン大学と対戦します。これらの対戦カードに全米が熱狂しています。
ノートルダムvsインディアナ戦:ジェレマイア・ラブの98ヤードTDランが決め手
チーム別スタッツ
チーム | 総ヤード | パッシングヤード | ラッシングヤード | ターンオーバー |
---|---|---|---|---|
ノートルダム | 394 | 201 | 193 | 1 |
インディアナ | 278 | 215 | 63 | 1 |
主要選手別スタッツ
選手名 | チーム | ポジション | スタッツ |
---|---|---|---|
ライリー・レナード | ノートルダム | QB | 23/32, 201ヤード, 1TD, 1INT |
ジェレマイア・ラブ | ノートルダム | RB | 8回, 108ヤード, 1TD |
カーティス・ローク | インディアナ | QB | 20/33, 215ヤード, 2TD, 1INT |
試合の流れを変えた歴史的な長距離ラン
試合開始早々、ノートルダム大学ランニングバックのジェレマイア・ラブが98ヤードの大爆走を見せ、スタジアムを興奮の渦に巻き込みました。この歴史的なプレーは、CFP史上最長のタッチダウンランとして記録されました。
オフェンスラインのブロックはもちろん、ラブの相手ディフェンダーを振り切るスピードが素晴らしかったです。インディアナ大学のコーナーバックはこの状況では必ず外を守らないといけなかったですね。結果的に味方ディフェンダーのパシュートが無駄になってしまいました。
ライリー・レナードのクォーターバックとしての貢献
ノートルダム大学のクォーターバックであるライリー・レナードは、23/32の成功率で,201ヤードヤード、1タッチダウン、1インターセプションを記録し、チームの勝利に貢献しました。彼のプレーは、派手なプレイはありませんが、着実にショートからミドルパスを決めるように冷静で的確でした。
レナードの巧みなパスワークは、インディアナ大学のディフェンス陣を翻弄し続けました。
ノートルダム初のCFP勝利の意義
この勝利は、ノートルダム大学にとって初のCFP勝利となりました。これは、長年の悲願が達成された瞬間であり、まるでロッキーが初めて世界チャンピオンになったような感動的な瞬間でした。
4クォーターでインディアナ大学にタッチダウンされたり、オンサイドキックを決められるなど、集中力に欠くところもありましたが、その点は修正が必要です。しかし、この勝利は、ノートルダム大学にとって大きな自信となり、今後の飛躍への重要な一歩となるでしょう。
ペンシルベニア州立大学、サザンメソジスト大学に38-10で圧勝
チーム別スタッツ
チーム | 総ヤード | パッシングヤード | ラッシングヤード | ターンオーバー |
---|---|---|---|---|
ペンシルベニア州立大学 | 325 | 136 | 189 | 1 |
サザンメソジスト大学 | 253 | 195 | 58 | 3 |
主要選手別スタッツ
選手名 | チーム | ポジション | スタッツ |
---|---|---|---|
ドリュー・アラー | ペンシルベニア州立大学 | QB | 13/22,127ヤード, 0TD |
ニック・シングルトン | ペンシルベニア州立大学 | RB | 18回, 110ヤード, 1TD |
ケヴィン・ジェニングス | サザンメソジスト大学 | QB | 20/36, 195ヤード, 1TD, 3INT |
ペンシルベニア州立大学の堅固な防御陣
2インターセプトリターンタッチダウン
ペンシルベニア州立大学のディフェンス陣は、前半に2回のインターセプトをタッチダウンに結びつけ、大きなリードを築きました。これは、サザンメソジスト大学のケヴィン・ジェニングスのメンタルにも大きな影響を及ぼし、試合の流れをつかんだビッグプレイでした。
インターセプトするだけなのと、タッチダウンまで持っていくのでは雲泥の差があります。正直、どちらもジェニングスの投げミスという印象が強かったですが、しっかりとタッチダウンまでもっていく選手の意識と、リターンする選手をブロックする周りの選手たちは賞賛に値します。
ニック・シングルトンの安定感で地上戦を制す
ペンシルベニア州立大学のニック・シングルトンは18回, 110ヤード, 1TDと安定した活躍を見せました。次の相手はハイズマントロフィーの候補にも選ばれている、アシュトン・ジェンティ擁するボイシー州立大学が相手です。どちらのチームが地上戦を制すのかが楽しみです。
テキサス大学、クレムソン大学を38-24で下す:ジェイドン・ブルーの活躍
チーム別スタッツ
チーム | 総ヤード | パッシングヤード | ラッシングヤード | ターンオーバー |
---|---|---|---|---|
テキサス大学 | 494 | 202 | 292 | 1 |
クレムソン大学 | 412 | 336 | 76 | 1 |
主要選手別スタッツ
選手名 | チーム | ポジション | スタッツ |
---|---|---|---|
クイン・ユワーズ | テキサス大学 | QB | 17/24, 202ヤード, 1TD,1INT |
ジェイドン・ブルー | テキサス大学 | RB | 14回, 146ヤード, 2TD |
ケイド・クルブニック | クレムソン大学 | QB | 26/43, 336ヤード, 3TD, 1INT |
ジェイドン・ブルーの77ヤードタッチダウンラン
第4Q残り11分程度で、テキサス大学はクレムソン大学に31-24と迫られている状況でしたが、ランニングバックのジェイドン・ブルーが、77ヤードの大爆走でタッチダウンを決めてクレムソン大学を突き放しました。これは、まるでF1カーが一般道路を疾走するような圧倒的なスピードと迫力でした。
オフェンスラインのブロックはもちろんですが、ブルーのスピードはクレムソン大学のディフェンス陣を完全に置き去りにしてしまいました。
クイン・ユワーズの安定したパフォーマンス
テキサス大学のクォーターバックのクイン・ユワーズは、17/24の成功率で202ヤード、1タッチダウンの成績を残しました。彼のプレーは、決められた場所へ適格にボールをデリバリーするもので、ユワーズの冷静な判断力と正確なパスが、テキサス大学の勝利を導きました。
クレムソン大学の反撃とテキサス大学の踏ん張り
クレムソン大学も果敢に反撃し、クォーターバックのケイド・クルブニックが26/43で336ヤード、3タッチダウンを記録しました。
しかし、テキサス大学は重要な場面でクレムソン大学の1ヤードライン上で連続2回の4thダウンを阻止し、勝利を手繰り寄せました。これは、まるで相撲選手が土俵際で相手の猛攻を耐え抜いて勝利を収めるかのような、スリリングな展開でした。
強固なディフェンスが健在なのは頼もしいですね。クレムソン大学の猛攻をしのぎ、アリゾナ州立大学との闘いに臨みます。
オハイオ州立大学、テネシー大学に42-17で大勝:第1クォーターで3TD
チーム別スタッツ
チーム | 総ヤード | パッシングヤード | ラッシングヤード | ターンオーバー |
---|---|---|---|---|
オハイオ州立大学 | 473 | 317 | 156 | 1 |
テネシー大学 | 256 | 104 | 152 | 0 |
主要選手別スタッツ
選手名 | チーム | ポジション | スタッツ |
---|---|---|---|
ウィル・ハワード | オハイオ州立大学 | QB | 24/29, 311ヤード, 2TD,1INT |
ジェレマイアー・スミス | オハイオ州立大学 | WR | 6回, 103ヤード, 2TD |
ニコ・イアマレバ | テネシー大学 | QB | 14/31, 104ヤード, 0TD, 0INT |
ウィル・ハワードの精密なパッシング
オハイオ州立大学のクォーターバックのウィル・ハワードは、24/29の成功率で311ヤード、2タッチダウンという驚異的な成績を残しました。彼のパスは、まるでレーザービームのように正確で鋭く、テネシー大学のディフェンス陣を完全に翻弄しました。ハワードの精密なパッシングが、オハイオ州立大学の大勝の原動力となりました。
ジェレマイアー・スミスの2タッチダウンキャッチ
オハイオ州立大学のワイドレシーバーのジェレマイアー・スミスは、6キャッチで103ヤード、2タッチダウンという素晴らしい活躍を見せました。彼のキャッチは、まるでサーカスの曲芸師のように華麗で確実なものでした。驚きなのは彼はまだ1年目のフレッシュマンということですね。。。スミスの活躍が、オハイオ州立大学の攻撃に大きな弾みをつけました。
圧倒的な攻撃力
オハイオ州立大学は、第1クォーターで3つのタッチダウンを決め、早い段階で圧倒的なリードを確立しました。オハイオ州立大学の攻撃は、テネシー大学のディフェンスを完全に崩壊させ、大勝につながりました。
この投稿動画はジェレマイアー・スミスのハイライトですが、2プレイ目にご注目。もともとワイドレシーバーの位置にセットしていたスミスが、スナップと同時にオフェンスラインの後ろに回って反対サイドのパスコースに出てきます。通常はタイトエンドをセットさせたり、せめてモーションでワイドレシーバーを内側に寄せてからパスコースに出すことが多いですが、このようにワイドレシーバーの位置からパスコースに出すことで、ディフェンス選手の反応が遅れます。
しかし、ジェレマイアー・スミスの存在感は抜群ですね。。。彼がフィールドにいるだけでディフェンスコーチは頭を悩ませることでしょう。
新フォーマットでのホームプレーオフゲームの意義
キャンパスでの試合がもたらす熱狂
キャンパスでの試合開催は、学生たちにとんでもない興奮をもたらしました。普段は静かな大学の構内が、突如として全米の注目を集める舞台へと変貌し、まるで小さな町全体がお祭り騒ぎになったかのような熱狂的な雰囲気に包まれました。この新しい形式は、大学フットボールの魅力を最大限に引き出すものとなりました。
コーチ陣の新フォーマットに対する評価
テキサス大学のスティーブ・サーキシアン監督は、12チーム制のCFPフォーマットでのホームプレーオフゲームの特別さを強調しました。多くのコーチたちが、この新しいフォーマットが選手たちにとって貴重な経験になると評価しています。まるで、高校生が突然プロの舞台に立つような、そんな特別な機会を選手たちに提供できるのです。
今後のCFPの展望
新フォーマットの導入により、これまで以上に多くのチームが全国タイトルを目指す機会を得ました。特に、ボイジー州立大学のようなグループ・オブ・5校の参加は、トーナメントの多様性と競争の激化を象徴しています。今後のCFPは、より激しく、より予測不可能な戦いの場となることが予想されます。一方で、選手にとってはスケジュールが過密になり、怪我をするリスクも高まります。12チーム制になって1年目ですが、今回の盛況を受けて今後どのような形式になるのかに注目しています。
次のラウンドの展望:オハイオ州立大学vsオレゴン大学のローズボウル
両チームの強み
オハイオ州立大学は、ウィル・ハワードの精密なパッシングと、ジェレマイア・スミスのビッグプレイ能力が強みです。一方、オレゴン大学は、レギュラーシーズン無敗の実績と、バランスの取れた攻撃力が魅力です。左効きのクォーターバックであるディロン・ガブリエルは、オクラホマ大学から移籍初年度に無敗かつ首位のオレゴン大学をビッグ10チャンピオンシップに導きました。両チームとも、高得点を期待できる攻撃力を持っていますが、防御面での踏ん張りが勝敗の鍵を握るでしょう。
ローズボウルの歴史と現地観戦記
ローズボウルは、1902年に始まった最も古い伝統を持つボウルゲームです。Big10の優勝チームとPac12の優勝チームの組み合わせになっていましたが、今やその形式は変わってしまいました。
さて、余談ですが筆者は2010年にローズボウルを現地観戦した経験があります。対戦カードはなんとオハイオ州立大学対オレゴン大学。オレゴン大学のエリアで観戦していたのですが、隣にいた大学生に、両手を前にだして手のひらで「O」の形を作り、「オー!」と発声するように指示され、いわれるがままにクラウドノイズを出していた記憶があります(笑)
※当時の写真
当時の結果は26-17でオハイオ州立大学が勝利。あれから15年、オハイオ州立大学は2019年と2022年にもローズボウルに出場していますが、オレゴン大学が出場するのは15年ぶり。当時とはローズボウルの意味合いもオレゴン大学の所属カンファレンスも変わってしまいましたが、全米が注目する試合であることには変わりません。
それではまた、次回をお楽しみに。
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