今回もディフェンスのパスカバー「Cover 2」について解説します。
「Cover 2」の概要については前回の記事をご覧ください
Cover2の弱点
前回の記事で、Cover2の弱点として(SFから遠い)ロングパスに弱いというものを挙げました。
当然、オフェンスもこのことを理解しているため、以下のようなパスパターンでCover2の弱点を突こうとします。
今回は、Cover2の形を崩さずにこれらのオフェンスに対応する方法をご紹介します。
ソフトスクワット(Soft Squats)
ソフトスクワットはCBのテクニックの一つですが、QBがドロップバックをする歩数を見て反応するWRを変えます。
①QBのドロップバックが1歩ならショートパスに反応
②QBのドロップバックが3歩~5歩ならショートパスとロングパスの間で待機してボールリアクション
仮に#1WRと#2WRの両方が縦に走った場合であっても、CBがソフトスクワットをしていれば、フラットゾーンに残らずにディープゾーンに下がっていきます。
ソフトスクワットを行うCBが柔軟に動くことで、Cover2の弱点であるCBの後ろのサイドライン際のパスを防ぐことができます。
一方で、WRの間に挟まれたCBは後ろからカバーするため、CBの前のパス(図でいうとHook)は投げられてからタックルするほかありません。
タンパ(Tampa)
MLBがSFとSFの間のゾーンを埋めるようにパスカバーを行うCover 2をTampa 2と言います。Tampa 2は、1990年代中頃から2000年代前半にNFLのタンパベイバッカニアーズが採用したことから普及したパスカバーです。MLBにはディープゾーンをカバーすることができる機動力が求められます。
機動力が高いLBがタンパを行うことで、Cover2の弱点であるSFとSFの間のゾーンをカバーすることができます。
一方で、PAP(プレイアクションパス)を考慮したMLBがランに対して反応できなくなるため、中央のランは手薄になります。
キャリー(Carry)
キャリーは#2WRの前にセットしたOLB(下図S)が、#2WRのSeamに対して後ろを追いかけながらカバーするテクニックです。
ポイントは、#2WRを内側に入れさせないことです。#2WRのTopはSFがカバーしてくれるため、常に後ろから追いかけるという意識が大切です。
キャリーを行うことで、Cover2の弱点であるSFとSFの間を狙ったゾーンをカバーすることができます。
一方で、キャリーを行ったOLBはランに反応できなくなるため、ランの守りは手薄になります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
いずれもCover2の弱点を補うテクニックなので、これらをバリエーションとしてサインに組みこむことで、通常のCover2では守れないゾーンをCoverすることができます。
その際は、それぞれのテクニックのメリット・デメリットを考慮することが大切です。
それではまた次回をお楽しみに。
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