社会人アメリカンフットボール Xリーグからプレイの戦術をご紹介します。
今回はオービックのパスプレイをご紹介します。
第4Q残り0:19
敵陣33y 1-10
Split Zone Fake Pass
試合終了残り約2分で始まったオービックのドライブですが、逆転をかけたフィールドゴールに繋げたのはこのプレイでした。
残り時間が少ない状況でも慌てずに時計を回すオービックの采配は素晴らしかったと思います。敵陣33ydだと50ydフィールドゴールとなるため、もう少し近づきたい状況でこのプレイコールでした。
ポイントとなるのは、ターゲットとなるWRの前にTEを送り込んでいる点です。
これにより、ディフェンス選手が前に反応するため#2ターゲットにパスを通しやすくなっています。
パスパターンもWRが外に逃げるようなパターンで、#18の木下選手はキャッチしてすぐにサイドラインを割り時間を止めました。この勝負所でキャッチをする木下選手もさすがベテランです。
さらに、この状況では富士通もフィールドゴール1本で逆転されるため、ロスタックルやQBサックなどでできるだけ遠い位置で蹴らせるように考えます。
富士通のディフェンスはここではプレッシャーサインをコールしませんでしたが、もしここでプレッシャーサインが来たとしても、両RBを加えた7人のパスプロテクションである程度耐えられたと思います。
その後、ランで時間を潰して残り数秒でタイムアウトしてフィールドゴールに繋げます。動画はこちらです。
劇的な幕切れでした。フィールドゴールを蹴る前の観客席もお互いに応援しているチームを祈るような眼差しで見つめていました。
新型コロナウイルスの影響で2020年春の試合は全てなくなりましたが、また秋にこのような激戦を観れることを楽しみにしています。
それではまた次回をお楽しみに。
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