【アメフト NFL】2024年 Week15 ビルズvsライオンズ レビュー&戦術解説

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ハイパーオフェンス vs ハイパーオフェンス

  • ビルズのクォーターバックジョシュ・アレンが圧巻のパフォーマンスを見せ、壮絶な打ち合いの末ライオンズを撃破!
  • 両チームの総獲得ヤードは1000ヤードを超え、ビルズが559ヤード、ライオンズが506ヤードを記録。まさにハイパーオフェンス vs ハイパーオフェンスの様相でしたが、最終結果は48-42でバッファロー・ビルズの勝利となりました!

チーム別スタッツ

カテゴリーBuffalo BillsDetroit Lions
総獲得ヤード559521
ラッシングヤード19748
パッシングヤード362473
ファーストダウン2830
パスによるファーストダウン1527
ランによるファーストダウン113
3rdダウン成功率5-10 (50%)6-13 (46%)
4thダウン成功率1-1 (100%)3-3 (100%)
総プレー数6877
平均獲得ヤード/プレー8.26.8
ターンオーバー01
ファンブル – ロスト0-02-1
インターセプト00
パント – 平均1-51.03-55.7
リターンヤード580
レッドゾーン効率5-7 (71%)5-5 (100%)

こう見ると、両チーム合わせてターンオーバーがたったの1回というのは驚きでしたね。。。

オフェンスに関しては破壊力だけでなく、ミスも少なかった試合と言えます。

主要選手のスタッツ

Buffalo Bills

選手名ポジションパスヤードパスTDラッシングヤードラッシングTDレシービングヤードレシービングTD
Josh AllenQB3622682
James CookRB1052280
Ty JohnsonRB901140
Ray DavisRB150141
Khalil ShakirWR391

ジョシュ・アレンはパス362ヤード/2タッチダウン、ラン68ヤード/2タッチダウンを記録

合計6回のタッチダウンの内、ジョシュ・アレンが4回という恐るべきスタッツとなっています(笑)

TY ジョンソンがパスキャッチで114ヤードも稼いでいるところが特徴的ですね。

ランではジェームス・クック105ヤード/2タッチダウンと安定した活躍ぶり。

Detroit Lions

選手名ポジションパスヤードパスTDラッシングヤードラッシングTDレシービングヤードレシービングTD
Jared GoffQB4945130
Jahmyr GibbsRB311831
David MontgomeryRB40310
Amon-Ra St. BrownWR1931
Sam LaPortaTE1110
Jameson WilliamsWR371

ジャレッド・ゴフパス494ヤード/5タッチダウンと奮闘。

アモンラ・セントブラウンは200ヤードに迫るパスキャッチでした。

一方、自慢のランオフェンスはトータルでわずか48ヤードに抑えられました。

エースQB対決が試合を牽引

今回の試合では、ビルズのジョシュ・アレンとライオンズのジャレッド・ゴフという、リーグを代表するQB同士の対決が見ものでした。

この試合は、まさに現代NFLを象徴するような、攻撃的で高得点なゲーム展開となりました。

ジョシュ・アレンの多彩な攻撃

ビルズのQB、ジョシュ・アレンは、投げてよし・走ってよし・しかも強いという多機能な選手です。パスもランも得意で、相手ディフェンスを常に悩ませます。アレンの多彩な攻撃は、ビルズのオフェンスを予測不可能なものにし、ライオンズのディフェンスを終始翻弄しました。

パス攻撃の精度

アレンのパス攻撃は、スナイパーのように正確です。この試合では362ヤードを投げ、2つのタッチダウンパスを決めました。

アレンのパスの正確さは、NFLの中でも群を抜いています。彼の「タイトウィンドウスロー」(狭いスペースへの正確なパス)の成功率は、リーグトップクラス。この能力により、ディフェンスが固く守っている状況でも、レシーバーにボールを届けることができるのです。

ランニング能力の活用

アレンは「走るQB」としても有名です。この日も68ヤードを走り、2つのタッチダウンを自らの足で奪いました。195cm、108kgの大柄な体格でありながら、まるでランニングバックのような俊敏性を持っています。ディフェンスにとっては、「投げるか走るか」の二択を常に迫られる厄介な存在なのです。

アレンのランニング能力は、単に yardage を稼ぐだけでなく、ディフェンスの陣形を崩す効果もあります。彼が走る脅威があるため、ディフェンスはパスラッシュを控えめにせざるを得ず、結果としてパス攻撃の時間も増えるのです。これは、現代のNFLで「デュアルスレットQB」と呼ばれる、投げても走っても脅威となる選手の典型例と言えるでしょう。

ジャレッド・ゴフの奮闘

一方のライオンズQB、ジャレッド・ゴフも負けじと奮闘しました。

後半のキャッチアップ展開ではエアレイドオフェンスを思わせるようなロングパスをバシバシと決めており、もはやエアレイド・ゴフと言っても過言ではありませんでした。

プレッシャーにも動じない冷静沈着なプレーは、ビルズの強力なディフェンスを相手に、ライオンズを試合終盤まで競争させる原動力となりました。

494ヤード5タッチダウンの驚異的な成績

ゴフは、この試合で驚異の494ヤード、5タッチダウンという成績を残しました。これは、まるでテレビゲームのマッデンで記録するような数字です。NFLの1試合平均パスヤード数が約230ヤードであることを考えると、いかにゴフの活躍が突出していたかがわかります。

この成績は、ゴフ自身のキャリアハイであり、ライオンズのフランチャイズ記録にも迫る素晴らしいものでした。特に注目すべきは、インターセプトが1回もなかったこと。これだけの大量のパスを投げながら、ミスが少なかったことは特筆に値します。

多様なレシーバーの活用

ゴフの強みは、様々なワイドレシーバーを上手く使いこなすことです。この試合では、アモン・ラ・セント・ブラウンへの66ヤードタッチダウンパスや、オフェンシブラインマンのダン・スキッパーへの奇襲的な9ヤードタッチダウンパスなど、多彩な攻撃を展開しました。まるでオーケストラの指揮者のように、チーム全体を巧みに操りました。

ゴフは、レシーバーの特性を理解し、状況に応じて最適な選手にパスを投げる能力に長けています。例えば、ラ・セント・ブラウンの俊敏性を活かした深いルート、ジェイムソン・ウィリアムズのスピードを活かしたロングパス、そしてタイトエンドを使った短いパスなど、多様な攻撃パターンを駆使しました。これにより、ビルズのディフェンスは常に予測不能な状況に置かれ続けたのです。

その他の注目選手のパフォーマンス

QBだけでなく、他の選手たちも素晴らしい活躍を見せました。ビルズのランニングバック、ジェームズ・クックは2つのタッチダウンを決め、ライオンズのワイドレシーバー、ジェイムソン・ウィリアムズは試合終了間際に重要なタッチダウンをキャッチしました。これらの選手たちの活躍が、この試合を更に盛り上げたのです。

クックの活躍は、ビルズの攻撃に多様性をもたらしました。彼のランニングプレーにより、ライオンズのディフェンスはパス防御だけに集中することができず、結果としてアレンのパス攻撃の成功にも貢献しました。

一方、ウィリアムズの最後のタッチダウンは、試合終盤の緊張感を一気に高めました。彼のスピードとキャッチング能力は、ライオンズの攻撃に大きな武器となっています。

アメフトは様々なポジションの選手たちが、それぞれの役割を果たすことで初めて勝利につながります。この試合は、そんなアメフトの魅力が詰まった一戦だったと言えるでしょう。

QBの華々しい活躍はもちろん、ランニングバックの力強い走り、ワイドレシーバーの華麗なキャッチ、そしてオフェンシブラインの堅固なブロック。これらすべてが組み合わさって、この試合の大歓声と興奮を生み出したのです。アメフト初心者の方も、この試合を通じて各ポジションの重要性と面白さを感じ取ることができたのではないでしょうか。

試合後にはアレンとゴフがお互いの健闘を讃えあっていました。

試合のハイライト:両チームの印象的なビッグプレー

アメフトの醍醐味は、一瞬で試合の流れを変える大迫力のビッグプレーにあります。この試合では、両チームが繰り出す華麗なプレーの数々に、観客は息をのむ場面の連続でした。その中から、印象的なプレーをいくつかご紹介しましょう。

ビルズ側の印象的なプレー

アレンのダイナミックなパフォーマンス

ジョシュ・アレンは、この試合でまさに八面六臂の活躍を見せました。特に印象的だったのは、第3クォーターの3rdダウンでの45ヤードのランニングプレーです。ディフェンスの隙をついて抜け出したアレンは、まるでチーターのような俊足で一気にフィールドを駆け抜けました。この大胆なプレーは、チームに大きな勢いをもたらしました。

また、タイトエンドのダウソン・ノックスへの絶妙なパスも忘れられません。アレンは、まるでバスケットボールのアリウープのように、ノックスの頭上にボールを落とし込みました。この美技は、スタジアムを大歓声で包みました。

このプレイは「ブーツレッグ」と呼ばれるクォーターバックがランニングバックへのフェイクを行うパスです。ノックスは一度DLをブロックすることで、アレンへのプレッシャーがかからないようにして、その後パスコースへスルリと出てきます。

クックのランニングタッチダウン

ランニングバックのジェームズ・クックも、印象的な活躍を見せました。特に、41ヤードのランニングタッチダウンは圧巻でした。オフェンシブラインが作り出した小さな隙間を、クックは巧みに抜け出し、まるで小型ミサイルのようにエンドゾーンまで一直線に突き進みました。この大胆不敵なプレーは、ビルズファンを熱狂させました。

画面奥側のオフェンスタックルが内側へ移動しながら、クックのリードブロッカーとなります
(この動きをプルと言います)。ジョシュ・アレンはクックに渡すか渡さないかを画面の奥にいるディフェンスエンドで判断しています。

ライオンズ側の印象的なプレー

ゴフの長距離タッチダウンパス

ジャレッド・ゴフは、この試合で驚異的な494ヤードという記録的なパスヤードを記録しましたが、中でも最も印象的だったのは、ワイドレシーバーのアモン・ラ・セント・ブラウンへの66ヤードのタッチダウンパスでした。目の前には複数のディフェンダーがいたため、並みの選手ではボールが見えずにとれないところですが、そこを見事にキャッチし、そのままタッチダウン!この華麗なコンビネーションプレーは、スタジアムを大いに沸かせました。

トリッキーなプレーの成功

ライオンズは、奇襲的なプレーでも観客を驚かせました。特に印象的だったのは、オフェンシブラインマンのダン・スキッパーへの9ヤードのタッチダウンパスです。通常はブロックに専念するスキッパーが、突如としてパスキャッチャーに変身。この予想外のプレーに、ビルズのディフェンスは完全に裏をかかれました。まるでマジシャンの手品のような、この驚きのプレーに、スタジアムは大きな歓声に包まれました。


しかし、ここで疑問に思うのは、「なぜスキッパーは本来オフェンシブラインなのにパスコースに出ることができたのか」ではないでしょうか。

実際、NFLにおいて、オフェンシブラインマン(通常50-79、90-99の番号を着用)がパスコースに出ることはできません。

しかし、エリジブルレシーバー(有資格選手)としての報告を行えば、オフェンシブラインマンでもパスキャッチャーとしてダウンフィールドに出ることができます。具体的には以下の手順です。

  1. 審判への報告: プレー前に審判に対して、エリジブルレシーバーとしての資格変更を報告する必要があります。
  2. アナウンス: 審判は防御チームに通知し、スタジアムにアナウンスを行います。
  3. ポジション変更: 報告後、ラインの端かバックフィールドのポジションに就く必要があります

このように、ルールに基づいたうえでスキッパーはラインマンの夢であるタッチダウンパスキャッチを叶えたのです。

オンサイドキック

この試合の最も重要なターニングポイントは、ライオンズが第4クォーター開始直後に仕掛けたオンサイドキックが失敗に終わった点だと思います。

試合残り12分、ライオンズは10点差(35-28)でビハインドの状況にありました。この時点で、ライオンズのダン・キャンベル監督は大胆にもオンサイドキックを選択します。通常、このようなプレーは試合終盤で使われる戦術ですが、キャンベル監督は「ここでボールを奪い返せば流れを引き寄せられる」と考えたのでしょう。

しかし、この決断は裏目に出てしまいます。ビルズのスペシャルチーム選手マック・ホリンズがキックを回収し、そのままライオンズ陣内深くまで37ヤードをリターンしました。これにより、ビルズはライオンズの5ヤードラインという絶好のフィールドポジションを得ることになります。

ビルズが即座に得点を奪取

この状況を見逃さなかったビルズは、次のプレーでジョシュ・アレンからレイ・デイビスへのタッチダウンパスを成功させます。この得点により、ビルズはスコアを45-28とし、17点差にリードを広げました。この一連の流れで、ライオンズは大きく追い詰められる形となり、試合の主導権を完全に奪われてしまいました。

キャンベル監督の振り返り

試合後、ダン・キャンベル監督はこの決断について振り返り、「ボールを回収できると思ったが、やらなければよかった」とコメントしました。彼はこのプレーが試合結果に大きな影響を与えたことを認めつつも、「リスクを取らなければ勝利も得られない」と語り、自身の判断に一定の理解を示しました。

おわりに

いかがだったでしょうか。今回は、2024年 Week15 ビルズvsライオンズのレビューと戦術解説を行いました。

両チームの攻撃陣が火花を散らし、合計90点という驚異的な試合は非常に見ごたえがありました。


ビルズQBのアレンはパスとランの両面で得点に絡む素晴らしいプレーを披露し、11連勝中だったライオンズの勢いに、ビルズが歯止めをかけたという結果となりました。


この敗北によりライオンズは12勝2敗となり、NFCのトップシードはどうなるかが分からない状態となりました。


NFLのシーズンはいよいよ佳境に入ってきます!それではまた、次回をお楽しみに。

コメント

  1. 暇人NFLふぁん より:

    某所から飛んできました。非常に見ごたえのある記事かと思いますが一点気になりました。BUFのアレンですが身長は6′ 5″≒195cmくらいかと思うのですがいかがでしょうか?185cm(≒6′ 2″くらい?)はNFLのQBとしては小柄な方で一瞬目を疑って調べてしまいました。せっかくの記事ですのでご確認いただけますと幸いです。

    • Amefoot_Freak Amefoot_Freak より:

      暇人NFLふぁん様。ご指摘ありがとうございます。誤植でしたので修正させていただきました。今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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