続いてはAlabamaのディフェンスプレイをご紹介します(Alabamaファンの方お待たせしました)。
第3Q残り12:34
敵陣36y 2-10
3Step Pass
Bunchフォーメーションから、BunchサイドはVertical系のパス、1WRサイドはショートパスです。
これに対するAlabamaのディフェンスはこちらです。
大外からLBを入れた5MenラッシュのM/Mサインです。
このプレイの対決がどうなったかを動画でご覧いただきましょう。
QBはバウンダリーサイドを見てマンツーマンと判断してRBとLBのミスマッチを狙おうとしましたが、ブラインドサイド(右効きQBから見て左側のQBからは見えにくいサイド)からボールをはたかれてファンブルしてしまいました。
このプレイで凄いと思ったのは、
①ブリッツの際に一切スピードを緩めていないこと
②ブリッツの角度
③QBサックではなくボールを狙う意識
の三点です。
①ブリッツの際に一切スピードを緩めていないこと
通常大外からオープンブリッツを仕掛ける選手はにブロックされるのを嫌うため、BunchのようなWRが密集している体型はブリッツに入りにくく、スピードを減速してしまうことが多いです。しかし、この選手は一切スピードを緩めることなくQBに向かっています。
本来ブリッツはパスカバーの持ち場を放棄してQBにプレッシャーをかける行為です。プレッシャーをかける人数が多くなればなるほどパスカバーは薄くなるため、少しでも早くQBサックにしとめなければパスを決められてしまいます。
その点でも、入りにくい体型であるにも関わらず一切スピードを緩めなかったこの選手の勇気と度胸には非常に関心します。
②ブリッツの角度
ブリッツに入る際に、QBの少し後ろに向かってブリッツを仕掛けたところがポイントです。
オープンラッシュを仕掛ける選手は、図のようにQBの後ろを目掛けて走ることで、
・QBに左側にまくられることを防げる
・ボールをはたける位置に回りこむことができる
というメリットがあります。
ブリッツの角度は、意識しているかどうかでブリッツの成否を分ける非常に重要なポイントです。
③QBサックではなくボールを狙う意識
言葉通りですが最も試合の結果に直結するポイントです。
これは、普段の練習からブリッツの目的をQBサックに置くか、QBからボールを奪うことに置くかで変わってきます。
恐らくこの選手はプレイ開始前からボールをはたくイメージをもってブリッツしていたと思います。
そして、毎回の練習で常にボールを奪うことを目標にブリッツをしていたからこそ、自然な動きでボールに手がかかったのだと思います。
以上でAlabamaディフェンスの解説を終わります。
次回もお楽しみに。
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