今回はディフェンスのパスカバー「Cover 4」について解説します。
Cover4の概要についてはXリーグの松場コーチが、
以下の動画にて分かりやすく解説されていますので、こちらもご覧ください。
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Cover4とは
Cover4はゾーンカバーの一つですが、
①4人のDBでディープゾーンを分割する3Under 4Deep
②相手のパスパターンに応じてディフェンスのカバーが変わる「パターンマッチ」
という2種類が存在し、多くは②の意味で使用されています。
私は選手に説明するときは、4人のDBで4人のWRを見るのがCover 4と伝えています。それぞれがゾーンに向かって広がるのではなく、WRに対してDBが直接付きに行きます。
そのため、選手の役割も「1/4」「Hook/Curl」というエリアを表す表現ではなく、「#1」「#2」「#3」といった人を表す表現が使われています。
DBの役割
「#1 / #2」とは、#1を中心にリードしながら、#2をリードする。
「#2 / #1」とは、#2を中心にリードしながら、#1をリードする。という役割です。
DBは目の前のWRに対してカバーするのですが、WR同士がクロスした場合は役割を交換します。
また、Cover4はDBがWRに対して1対1で見ることから、SFがラン守備に参加できることが強みといえます。
具体的には、例えば#2がWRではなくTEやSlotの場合、SFは#2をリードして#2の動きがランブロックだったらランに反応し、#2がパスコースに出れば#2に対してパスカバーを行います。
OLBの役割
「#2/Flat」とは、#2のアンダーゾーンをカバーしながら、#3が発生したらフラットゾーンをカバーするという役割となります。
「#3が発生したら」というのは、2by2の時にRBがパスコースに出ることを想定しています。例えば、#1.#2が縦に走り、RBがフラットに出た場合、#2を捨ててフラットをカバーしに行きます。
ILBの役割
「#3」とは、文字通り「#3が発生したら#3をカバー」という意味になります。2by2の時にRBがパスコースに出た場合、先述した通りOLBはフラットゾーンをカバーしに行きます。その場合、OLBが見ていた#2が#3となるため、ILBは(セット時の)#2のアンダーゾーンをカバーします。
また、RBが#2を超えないディレイ・パスのルートを走る場合も、ILBがカバーしに行きます。
Cover 4のメリット
・ランとパスをバランスよく守れる
DBの役割で先述した通り、SFはオフェンスの動きに合わせてランとパスを判断しながら動くことができます。ディフェンスはオフェンスがセットするまでどのような体型をするか分からない以上、ランとパスの一方に偏ったディフェンスをしたくない状況では、Cover 4を入れることでバランスよく守ることができます
・4縦が守りやすい
ディフェンスにとって最も通されてはいけないパスはWRに対するロングパスです。WRに対してDBを1対1で配置できるCover 4は、Cover 2やCover 3よりもロングパスに対するDBの負担が少なく、特に相手オフェンスが負けている状況や、前後半終了間際など、ロングパスが想定される状況で効果があるカバーと言えます。
Cover 4のデメリット
・SFの負担が大きい
メリットと表裏一体ですが、SFはランとパスを判断して動かなければいけないため、判断力が求められます。仮に、SFがランフェイクに引っかかってしまった場合は一発タッチダウンもあり得ます。
・CBの前のゾーンが空く
CBは#1に対してディープゾーンから守るため、CBの前の浅いゾーンは取られてからタックルするほかありません。OLBは#2のインサイドからカバーしているため、Cover 3と違ってOLBがQBのドロップバックを見て反応することも難しいでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
Cover 4には、ランとパスをバランスよく守れるという特徴がありますが、パスに関してはショートパスよりもロングパスの方が手厚く守れるカバーと言えます。
Cover 4でショートパスを守る工夫については改めてご紹介します。
それではまた次回をお楽しみに。
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