大学のアメリカンフットボールの試合からプレイの戦術をご紹介します。
今回は2013年秋に行われた、関西大学アメリカンフットボールリーグ第6節の立命館大学パンサーズ対京都大学ギャングスターズの試合から京都大学の好プレイをご紹介します。
京都大学が立命館大学に勝利した2つ目の準備が、モーションによるボックスの人数を減らしたオフェンスです。
第1Q残り9:10
敵陣40y 1-10
3Step
こちらは、RBのモーションを絡ませたフィールドサイドへのパスです。QBはプレッシャーを回避しながらRBへパスを成功させています。
動画はこちらから。
第1Q残り8:17
敵陣22y 2-12
Zone Fake Bubble
続いてのプレイもRBをモーションさせたパスプレイです。先ほどと違い、RBにパスすることがあらかじめ決められています。プレイは失敗となりましたが、このあたりから立命館大学のLBはRBへの反応が早くなってきます。
動画はこちらから。
第2Q残り9:57
敵陣48y 3-5
QB Power Draw
3rd-5ydの勝負どころで、京都大学は1プレイ目にご紹介したパスの形からQBを走らせてフレッシュを獲得しています。
立命館大学のディフェンスはLBをクロスでブリッツさせていたのですれ違いもありましたが、フィールドサイドの選手はRBの動きに釣られてパシュートが遅れました。
動画はこちらから。
第3Q残り9:12
敵陣19y 2-10
QB Draw
立命館大学はこのプレイが後半に止まらなくなりました。RBをパスコースに出してボックスの人数を減らすことで、ディフェンス側の反応を遅らせています。
一度パスフェイクを入れてタイミングをずらしてから走るので、右のOTもSFへのブロッカーとして参加することができます。
動画はこちらから。
こうしてみると、1QにRBをパスコースに出していた布石を2Qの勝負所と後半に回収しています。
通常、オフェンスは人数を集めてプレイすることが多いのですが、京都大学はボックスの人数を減らしてオフェンスを展開していました。
ディフェンスが人数の増減に対してしっかりとアジャストするチームに対しては、ボックスの人数を減らしてQBが走るという戦術は有効と言えます。ディフェンス側のボックスの人数が減れば、QBに対しての守りも薄くなるためです。
一試合通じて立命館大学が同じランプレイを出され続けるのは非常に珍しいです。そのため、京都大学の戦い方は非常に勉強となる試合でした。
次回も、京都大学の周到な準備をご紹介します。
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