続いては49ersのディフェンスプレイをピックアップします。
まずはチーフスオフェンスのプレイを確認しましょう。
第2Q残り9:42
敵陣17y 3-7
3Step Pass
レッドゾーンで奥行きが無いため攻めにくい状況ではありますが、チーフスはBunch体型からのパスプレイをコールしました。
これに対して49ersのディフェンスは下図のようなLBをブリッツで加えた5Menマンツーマンディフェンスで守りました。
49ersは3rdダウンをしのぎ、このシリーズをFGに留めました。
4点を追いかける49ersにとって、このシリーズを3点に抑えたのは大きいと言えます。
このプレイのポイントは2つあります。
①ラッシュのコンビネーション
②DBのRBに対するマンツーマンの仕方 です。
具体的に解説していきましょう。
1つ目のラッシュのコンビネーションについては、
①NGがCとLGを押し込みながら縦にラッシュ
②DTがRGを引き連れながら縦にラッシュ
③LBが一瞬LGを反応させてからDLがOLを引き連れたキワをラッシュ
と3人のラッシャーが見事なタイミングでラッシュしたことで、QBマホームズにプレッシャーをかけることに成功しました。
③のLBについては、意識していないとブリッツの角度が広がってしまい
・OLとの間にスペースができ大回りになってしまう
・横に動く時間が長いため縦への推進力が弱まりスピードが落ちる
という点でQBへ到達する時間が遅くなってしまいます(下記画像参照)。
タイミングについては動画をご覧いただいたほうが分かりやすい思います。
下記動画の34:53から再生
LBのブリッツの入り方などは本当にわずかな差しかないのですが、このわずかな差でQBにプレッシャーがかかるかどうかが変わり、パスの成否に影響します。
2つ目のDBのRBに対するマンツーマンの仕方については、
シンプルなのですが3rd-7ydというシチュエーションを意識して下がり目にセットしていたDBがクレバーでした。
例えばこれを前のめりにマンツーマンしていればRBとすれ違ってしまい、最悪タッチダウンとなる可能性もあります。DBがしっかり下がって余裕をもっていたからこそ、RBがキャッチした瞬間にハードタックルができ、結果的にパス失敗となりました。
アメリカンフットボールに限らずどんなスポーツでもそうですが、細部まで意識してプレイできるかどうかで結果が大きく変わります。NFL選手は自然と意識してプレイすることができるのですが、日本人選手(特に高校生などの若い選手)は細部まで指導されていないからか、あるいは指導が徹底されていないからか、意識できていない選手が多いように思えます。
オフェンスと違ってディフェンスの方が説明が難しいですね(笑)
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。
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