第4Qに入りました。
ここから、Alabamaのショートヤードオフェンスを3プレイ連続でご紹介します。
第4Q残り15:00
敵陣11yd 4-1
DE Trap
左のOGが外側にいるディフェンス選手をキックアウトするプレイです。
左から右にTEをモーションさせて、右側にプレイをすると見せかけて実際は左側のプレイです。
このプレイは左OL・TEのダウンブロックの押し込みとFBの覚悟を決めたブロックが秀逸でした。そしてTBの突破力で1stDown獲得はもちろん、一気にゴール前1ydまで侵入しました。
第4Q残り14:41
敵陣1yd 1-1
DE Trap Fake Pass
LSUがメンバー交代のためのタイムアウトを挟んだ後の2プレイ目です。
先ほどのDE TrapをフェイクにしたTEのパスです。左側のブロッキングはTE以外は同じなのですが、右のハンドオフをフェイクにしていました。
少し見ていて気になったのは、
・なぜこのプレイはTEのモーションを入れなかったのか?
・左のハンドオフフェイクでは駄目だったのか?
です。プレイは違えど、直前までの動きは同じにした方がディフェンスをよりひっかけられるのではないかと思いました。
ショートヤードは数コンマ1秒の遅れや迷いでプレイの成否を分けるため、ほんのちょっとしたことでも良いのでディフェンスを迷わせることが大事だと思います。
結果的には後ろに下がっていたDBがしっかりとマンツーマンしていたためパスは不成功となりました。
第4Q残り14:36
敵陣1yd 2-1
Outside Zone
今度はTEのモーションを入れてから右側のハンドオフプレイです。
右側のダウンブロックが完璧なのと、FBのこれまた覚悟を決めたブロックにしっかりとついていったRBが素晴らしいです。
ディフェンスもあと少しでタックルできそうだったのですが、RBがスピードを落とさずに走ったため届きませんでした。
以上、3プレイのAlabamaのショートヤードプレイを紹介しました。
ショートヤードやゴール前は”気持ちの勝負だ!”という論があります。これは私も現役時代の経験からすごくよく分かります。オフェンスはとにかく気持ちで前にブロックします。ディフェンスは後ろが無い状況なので、思い切りってタックルしてきます。
ただ、そんなシンプルな力勝負が予想される状況だからこそ、その裏をかくフェイクプレイの使い方はすごく大事だと思います。2プレイ目の紹介の時に前述しましたが、ディフェンスが「あれ?なんかさっきと違う?」と感じる違和感をギリギリまで感じさせないような工夫が大切です。
個人的には、ショートヤードで戦術が関わる部分は他のシチュエーションと比べて少ないと思っていますが、試合を観る際はオフェンスディフェンス共に覚悟を決めて勝負する場面だからこそ、「次のプレイは何をするのか?」という駆け引きをぜひ楽しんでください。
動画はこちらから。
それではまた次回をお楽しみに。
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